扇風機を掃除すると幸せになれる

じんわり汗を搔くようになってきたのでサーキュレーターを出してきた。
小型ながら威力もなかなかの黒のプラ製品だが、収納の仕方がまずかったのか内側がホコリだらけだ。
そこで掃除をしようと前面カバーを外していたら、最後の1本のネジ穴を潰してしまった。
ネジ穴潰しは、見た目の規模からしてごく小さいミスだが、時として大敗北に繋がる
今回もそうで、ゴムを噛ませたりしてみたが、もうどうにもならない。
ネジ位置が隙間にあるため、専用ツールでも厳しいだろう。
つまり二度とカバーを外せない。ということは内側の掃除ができない。
このまま使ったらホコリが四方に飛び散る。
屋外でしばらく回してホコリを全部飛ばせたにしても、羽についた汚れが取れなければ涼しくない。
故障もしていないのにやらかしが最悪すぎて、迅速に証拠隠滅したくなった。
そこで、他にも捨てる扇風機があったことを思い出した。
こちらはデザインが気に入って買ったメタルな扇風機だが、見栄え重視だったのか、羽でも歪んでしまったのか、劣化が早かった。
久しぶりに電源を入れてみると、普通に使えるがやっぱり全然涼しくない。
「この2つを廃棄して、新しいのをポチろう…」
とはいえ「扇風機の掃除をしたい気分」を引きずっていたため、メタル扇風機のカバーを外してみた。
こちらはあっさり外れたが、サーキュレーターに比べて全然きれいだ。
肩透かしを食らいながら、アルコールシートで羽から薄い埃を拭きとり、内側をぐるりと拭いた。
カバーを戻し、スイッチを入れると衝撃の結果が。

えっ?
おまえはエアコンだったのか!?

というくらいの冷風が来る。
さっきはあんなに、弱々しくどんよりした送風だったのに?
羽とカバーをちょっと拭いただけなのに?
微塵も劣化していないどころか、黒プラのサーキュレーターよりパワーが強く、カバーエリアも広い。
めちゃめちゃ涼しいので、離れたところに置く始末。
ろくに掃除もせずに、見た目だけだとディスって、何年も放置した上に捨てようとして、本当にすまないことをした。

というわけで両者とも捨てるのはやめた。
涼しいのも有難いが、ミスの怒りと自己嫌悪から救われた思いだ。
黒プラのサーキュレーターも、この先何か対処法が見つかるかもしれない。